経理の転職

未経験経理を募集する企業の採用背景と転職成功のコツ

未経験から経理職へ挑戦する企業の採用背景と成功のコツ

企業(私が在籍していた企業も)が、経理未経験可で経理スタッフを募集することがあります。今回は募集背景と未経験でも採用したいと思う人物はどのような人なのか、を実際に採用する立場側の視点を交えて、ポイントをお伝えいたします!

未経験者を採用する企業の背景

企業が未経験者を経理職に採用する理由には、いくつかの背景があります。特に以下の点が大きな背景かと思います。

(1) 人員不足の解消が急務
経理業務は企業運営に欠かせないものですが、特に中小企業では慢性的な人手不足が課題です(経理の実務経験を積んでくると、より経済条件や労働条件が有利、あるいはキャリアアップとなる経験を積める会社に転職しよう、と考える人も多々いらっしゃいます)。

経験者に限定していると採用がすすまないため、経験者にこだわらず、ポテンシャルを重視した採用を行う企業も増えています。

(2)  業務の効率化が進んでいること
クラウド会計ソフトや連携するデジタルツールの普及により、経理業務の一部が簡素化、自動化されています。そのため、未経験者でも、社内の業務マニュアルを確認し、ツールを使いこなせれば、日常業務、月次決算に早期に貢献が出来るケースが増えています。

他にも、ルーティン業務であれば、正確に、丁寧に仕事をして頂ける方であれば切り出せる仕事があるのも要因としてあります。

企業が未経験者に求めるスキルと特性

未経験を承知で採用しているので、当然、即戦力を求めるわけではありません。しかし、戦力になるまでの期間は短ければ短いほど良いため、以下のようなスキルや特性を持つ人が採用されやすい傾向があります。

(1) 基本的なPCスキル
エクセルやスプレッドシートの基本操作や会計ソフトの使用経験があると有利です。
例えば、以下のスキルを身につけると良いでしょう:

  • エクセルやスプレッドシートの基本関数(SUMIFSやXLOOKUPなど)
  • データ入力の正確さ(入力後に他の集計データと突合して正確性を担保するなども含む)

(2) 数字に対する正確さと責任感
経理業務は数字を扱う仕事が多いため、ミスを防ぐための注意力が求められます。未経験者であっても、

  • 細かい作業を丁寧にこなす能力
  • 時間管理や優先順位付けの意識(進捗が良くないときに、早めに相談できるなども)
    が評価されます。

(3) コミュニケーション能力
経理職でも、他部署や取引先とのやり取りが発生します。特に未経験者の場合、分からない点を積極的に質問し、周囲と円滑に連携できる能力が大切です。

未経験者が経理職を目指す際のヒント

これから経理職に挑戦しようとする方は、以下のポイントを押さえて行動することが成功への近道です。

(1) 自己分析を深める
まず、自分がなぜ経理を目指すのかを明確にしましょう。例えば:

以前の仕事で数字を扱う業務が得意だった。
家計簿をつける中で経理に興味を持った。

これらの理由を具体的に言葉にすることで、面接で説得力を持たせることができます。

(2) 資格取得でアピールする
経理職を目指すなら、簿記3級などの資格取得は重要(資格取得に向けて勉強中を含む。)です。むしろ未経験から経理職に挑戦する人で、簿記取得を目指していなければ、採用側としては本気度を疑ってしまうこともあります。

(3) 成長企業を狙う
ベンチャー企業や中小企業では、未経験者を積極的に採用する傾向があります。このような企業では、経理業務だけでなく多様な経験が積めるため、自分自身の成長にもつながります。

成功体験:未経験から経理職へ転職した事例

未経験から経理職へ転職に成功したAさん(30代・元営業職)の例をご紹介します。

きっかけ:Aさんは営業職時代にクライアントとの契約金額の管理を担当しており、「数字を扱う業務」に興味を持ちました。

行動:簿記3級を取得後、地元の中小企業に未経験枠で応募。
結果:入社後は経費精算や伝票処理から始め、1年後には月次決算の補助業務まで任されるように。

このように、自分の経験やスキルをうまく経理職に結び付けてアピールすることが成功の鍵です。

まとめ:未経験でもチャンスはある

未経験から経理職を目指すことは決して不可能ではありません。企業の採用背景を理解し、自分の強みやスキルを適切にアピールすることで、道は開けます。特に以下のポイントを押さえておくと良いでしょう:

自己分析を行い、目標を明確にする。
簿記などの資格を取得し、知識を増やす。
中小企業やベンチャー企業を視野に入れる。

経理職への挑戦は、努力と工夫次第で可能性が広がります。ぜひ、自分に合った方法で一歩を踏み出してください。

  • この記事を書いた人

つばめ部長

30代で営業職から未経験経理にキャリアチェンジ。IPO準備企業への転職を2回経て、現在は上場企業の経理部長として、決算や開示及び経理の採用や育成に奮闘中。

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