経理の転職

経理未経験から経理職への転職 上場準備企業編

経理未経験から経理職に挑戦することはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、上場準備企業での経理職は幅広い業務を経験でき、キャリアアップの大きなチャンスでもあります。本記事では、上場準備企業への転職を目指す方に向けて、アピールポイントや具体的な準備方法をご紹介します。

上場準備企業の特徴と求められるスキル

上場準備企業は、通常の企業と比べて特有の業務や求められるスキルがあります。未経験者にとって難しく感じるかもしれませんが、事前に特徴を理解することで対策が可能です。

上場準備企業の主な特徴:

  • 業務範囲が広い:経理だけでなく、総務や庶務的な業務を兼務する場合があります。
  • マニュアルが整っていない:業務プロセスやフローが確立していないケースが多いです。
  • スピード感が求められる:上場を目指しているため、タスクの優先順位を即座に判断する力が必要です。

これらに対応するためには、柔軟性や主体性、コミュニケーション能力が求められます。

アピールできるポイントを明確にする

未経験でも活かせる経験やスキルはたくさんあります。どのような強みが上場準備企業で役立つのか、具体例を交えてご紹介します。

担当業務の範囲が不明確な環境での対応力

上場準備企業では、経理以外の仕事も発生することが珍しくありません。このような環境に対応するためには、柔軟性と優先順位を判断する力が重要です。

ポイント:
「不明確な業務範囲でも、自ら考え、必要な行動を起こせる姿勢」を伝えることが効果的です。

具体例①:マルチタスクへの対応力

「前職ではスタートアップ企業の営業事務を担当し、業務範囲が明確に定められていない中で、営業アシスタント、請求処理、契約書管理など幅広い業務を経験しました。業務が属人化しないよう、作業手順をマニュアル化し、チーム全体の効率化に貢献しました。この経験を活かし、上場準備企業の経理としても、柔軟に業務をキャッチアップしながら、業務の標準化にも貢献したいと考えています。」

具体例②:新しい業務への適応力

「これまで事務職として様々な業務を担当し、臨機応変に対応する力を身につけました。例えば、前職では新規システム導入時にマニュアル作成を担当し、社内研修も実施しました。新しい業務に対しても、積極的に学習しながら適応してきた経験があります。経理未経験ではありますが、この適応力を活かし、上場準備企業の経理業務にも迅速に対応していきたいと考えています。」

具体例③:プロジェクトの遂行力

「前職では、新規プロジェクトの推進を担当し、未経験の業務にも積極的に取り組んできました。例えば、新しい取引先との契約フローを整備する際、法務・営業と連携しながら手続きの標準化を進め、処理時間を30%短縮しました。このように、自分の担当範囲が明確でなくても、必要な情報を集め、主体的に動く力を発揮してきました。上場準備企業の経理としても、業務の全体像を把握しながら柔軟に対応したいと考えています。」

マニュアルがない環境での問題解決力

上場準備企業では、整った業務マニュアルがない場合があります。こうした状況下で、業務を改善したり、ルールを作成する力が役立ちます。

ポイント:
「自主的に行動し、業務効率を上げた具体例」を用意しておくと説得力が増します。

具体例①:業務改善の経験

「事務職として業務効率化に取り組み、マニュアルがない環境でも問題を発見し、解決する力を養いました。例えば、請求処理のフローが属人的であったため、業務を分析し、標準化のためのガイドラインを作成。結果として、処理ミスを40%削減し、作業時間も1日1時間短縮しました。経理でもこの経験を活かし、業務の可視化と標準化に貢献したいと考えています。」

具体例②:未知の業務への対応力

「前職では、業務マニュアルが整備されていない中で、新しいタスクに直面することが多くありました。例えば、新しい業務システムの導入時、手探りの状態から操作を習得し、最適な業務フローを確立。その後、チーム内で共有し、全員がスムーズに使える環境を整えました。経理業務においても、未経験だからこそ自ら学び、最適な業務フローを構築する姿勢を大切にしていきたいと考えています。」

具体例③:問題解決への主体性

「これまでの仕事では、業務の属人化や不明瞭な手順によるミスを減らすために、自主的に問題解決に取り組んできました。例えば、社内の書類管理が煩雑であったため、業務フローを整理し、クラウド上でデータ管理を一元化。その結果、書類検索時間を50%削減しました。経理業務でも、未整備な業務があれば、問題点を発見し、解決策を提案できるよう努めていきます。」

 

他部署と連携するためのコミュニケーション力

経理以外の業務や他部署との連携が必要な場面も多いため、コミュニケーション能力をアピールすることも重要です。

ポイント:
「他部署と連携し、チームの成果を最大化した経験」を具体的に伝えると好印象です。

具体例①:営業職での調整力

「営業職として、社内の経理部門と密に連携しながら業務を行っていました。例えば、請求書の発行ミスが多発していたため、営業と経理の連携フローを改善し、月間の請求ミスを30%削減。経理としても、各部署と円滑にコミュニケーションを取りながら、業務を進められると考えています。」

具体例②:社内外の調整力

「前職では、クライアントとの契約手続きにおいて、法務・営業・経理と連携しながら業務を進めました。例えば、契約書の確認フローを整理し、営業チームにガイドラインを作成・共有。その結果、契約処理のスピードを20%向上させることができました。上場準備企業の経理でも、他部署と連携しながらスムーズに業務を遂行できるよう努めます。」

具体例③:異なる部署間の橋渡し役

「社内の複数部署と調整が必要な業務を担当し、調整力を磨いてきました。例えば、在庫管理の問題を解決するため、営業・倉庫管理チーム・カスタマーサポートと連携し、情報共有の仕組みを整備。その結果、出荷ミスが50%削減されました。経理業務においても、他部署とのスムーズな連携を意識し、正確で迅速な処理を行いたいと考えています。」

まとめ

経理未経験から上場準備企業への転職は、準備と工夫次第で実現可能です。特に、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 幅広い業務に対応する柔軟性をアピールする。
  • 業務効率化やマニュアル作成の経験を具体例で伝える。
  • 他部署との連携力や調整力を示す。

未経験者ならではの視点や行動力は、大きな武器になります。前向きな姿勢で転職活動に挑み、ぜひ次のキャリアを切り開いてください!

  • この記事を書いた人

つばめ部長

30代で営業職から未経験経理にキャリアチェンジ。IPO準備企業への転職を2回経て、現在は上場企業の経理部長として、決算や開示及び経理の採用や育成に奮闘中。

-経理の転職